イスラム教の中の一派に伝承されている スーフィーの物語
というお話があります。その中の一つです。
お話の中でスーフィーと呼ばれるのは、
お坊さんみたいな立場の人です。
ある村のスーフィーのところに一人の男が訪ねてきます。
「この村に越して来ようと思っているものですが、
この村にはどうゆう人が住んでいますか?」
と質問しました。するとスーフィーも質問します。
「貴方がいたところはどんな人が住んでいましたか?」
男 「泥棒や詐欺師、そうゆう人たちばかりでした。」
スーフィー 「そうですか、ここも同じです。」
男 「そうですか、ではやめておきます。」
といって帰っていきました。
しばらくして、別の人が訪ねてきます。
同じ質問をしました。
スーフィー は同じように質問しました。
男「優しく、思いやりのあるいい人ばかりでした。」
と答えました。その人はここに越してきますと言って
帰っていきました。
意味深なお話だと思います。
「周りはいい人」と思う人には、そうゆう世界が、
「周りは問題のある人ばかり」と思う人にはそうゆう世界が、
現れてくる、心にあるもののように現実はなっていくと
このスーフィーは見ていると思います。
同じ一つのものでも、見る人の心の在り方、見方によって
全く違うものになるということでもあると思います。
それは心の在り方、見方を変えれば、世界は如何様にも
変えられるということでもあると思います。
一人ひとりの考え方、見方は異なるわけですから、
世界も現実も人の数だけあることになります。
世界という、現実という確固としたものがあるようでいて
実はそれは幻のようなものではないかと思えてきます。