スーフィーの物語

イスラム教の中の一派に伝承されている スーフィーの物語

というお話があります。その中の一つです。

お話の中でスーフィーと呼ばれるのは、

お坊さんみたいな立場の人です。


ある村のスーフィーのところに一人の男が訪ねてきます。

「この村に越して来ようと思っているものですが、

この村にはどうゆう人が住んでいますか?」

と質問しました。するとスーフィーも質問します。

「貴方がいたところはどんな人が住んでいましたか?」

男 「泥棒や詐欺師、そうゆう人たちばかりでした。」

スーフィー 「そうですか、ここも同じです。」

男 「そうですか、ではやめておきます。」

といって帰っていきました。

しばらくして、別の人が訪ねてきます。

「この村に越して来ようと思っているものですが、

この村にはどうゆう人が住んでいますか?」

同じ質問をしました。

「貴方がいたところはどんな人が住んでいましたか?」 

スーフィー は同じように質問しました。

男「優しく、思いやりのあるいい人ばかりでした。」

スーフィー 「そうですか、ここも同じです。」 

と答えました。その人はここに越してきますと言って

帰っていきました。


意味深なお話だと思います。

人にも物事にも良い面と悪い面があります。

その良いところに目を目ける人、悪いところに目を向ける人、

同じ一つのものも、見る人によって違って見えてくる・・・

そうゆうことを言わんとしているようにも思えます。

もう一つあります。

自業自得という言葉があります。業はカルマ、行為です。

身口意の三業といい、思うこと、言葉にしたこと、行動です。

思い、口にしたこと、行動したことを、自分が受け取ることになる。

三界唯一心、三界唯心造という言葉もあります。

心がこの世界を造るということです。

その人の心の持ち方通りに、現実はつくられるという解釈もあるかと思います。

悪い人ばかりという見方の人は、その通りになるということ、

良い人ばかりという見方の人は、その通りになるということ、

スーフィーはそのように見ていたとも考えられます。