私が住職をしていましたお寺でのことです。
誰もいないのは明らかなのに、戸をトントンと叩く音が
するときがありました。明らかに音は聞こえました。
何かなぁと思っていると、枕経に 来てくださいという電話
が入ります。これは亡くなった人が、自分でお寺に挨拶に
くるということらしいです。
近隣のお寺さんでは、全部が全部ではありませんでしたが、
そのようなことが日常茶飯というお寺さんもありました。
また、四十九日法要のあと、巫女さんに聞きに行く
という習慣が今でもありました。家族しか知らない話を
巫女さんが話したりと、不思議な話も聞かせてもらいました。
このお寺で自分で経験したことや、近隣のお寺さんから
聞いた話などから思ったことですが、
「人が亡くなっても決して何もかも無くなってしまうことはない」
というのは明らかだと思いました。
どのような仕組みかはわかりませんが、
何かがきちんと残っている、そう思います。
ですので生きていた時と同じように、繋がりを大事に
して頂きたいと思います。
故人に何かを聞きたいとき、相談したいとき、心の中で
尋ねてみてください。きっと何らかの形でメッセージを
送り届けてくれると思います。