布施

お釈迦様は人を良い方向へと導いてくれるものとして、布施を

お勧めになりました。今日では、法事の時お寺に納めるもの、

そのような意味になっていますが、元はもっと広く「遍く施す」の

意味になります。喜捨、利他行とも呼ばれ、日常の言葉ですと

思いやりの気持ちを形に表していく、そう言い換えることもできます。

インドの元の言葉でダーナと呼ばれ、旦那さん、檀家さんの

もとの言葉になっています。

また、臓器移植のドナーもダーナからきているそうです。

布施には形のあるものを施す布施と、形のないものを施す布施

があります。笑顔を向けたり、優しい言葉をかけたり、席を譲ったり

という、ほんのちょっとしたことでもそれは立派な布施と呼ばれ、

その功徳は計り知れないものがあるとお釈迦様は言われています。

お経に「利他を先とせば、自らが利省かれぬべしと、しかには

非ざるなり、利行は一法なり、遍く自他を利する也。」とあります。

他の人を優先させると自分が損をしてしまうということはありません。

利他行は自分も相手もみんなを良い方向に導く大きな力があると

いわれています。

布施と殊更いわなくても、どなたも普段の生活の中で周りの人を

気遣い、思いやりながら自ずと布施を行っていることと思いますが、

お釈迦様が布施を特に強調され、お勧めになったということ思い出

していただき、少し意識して心がけて頂ければと思います。

そうすることによってご自身から良い方向、良い流れを

作って行って頂ければと思います。