般若心経

観音様は、いのちの中、「今ここ」に溶け込み、いのちと一つになった時に、

いのちの秘密をついに明らめ、すべての苦しみを手放しました。

舎利弗(しゃりほつ)さん、聞いてください。

(シャーリープトラ・お釈迦様の十大弟子のお一人)、

人を五蘊(色受想行識・・身体、感じる働き、想像する働き、意図する

働き、認識する働き)と呼ばれる要素に分けてみても

どこにも不変のもの、中心・軸なとるような実体は見つけ出せません。

舎利弗さん、

この世のあらゆるものは、自性、実体がやはり認められません。

それはどうゆうことか言い換えますと、(イメージとして受け取ってください。)

この世のあらゆるものは、たった一つの大きな力・働きが

それぞれの姿、様子として顕われているということです。

宇宙の星々、太陽、月、地球、山、川、海、

人間、動物、植物、鉱物、微生物・・あらゆる形、色、音、味、香り、

感じたり、考えたり、思ったりするこころの様子、嬉しい、

悲しいという感情の一つ一つ、あらゆるものとして顕れます。

それは摩訶般若波羅蜜、大いなる完成された智慧とも呼ばれ、

いのちとも呼ばれます。

この智慧が、いのちが、私たちに備わっています。

というより、それは私たちそのものです。

あらゆるものが一つのいのちから出来ていますので、

生滅もなく、始まりも終わりもありません。

汚いものも、奇麗なものもありません。

また、増えることも、減ることもありません。

生も死も一つのいのちの姿であり、様子です。

何一つ損なわれるものはありません。

全てが、何もかもが「いのち」なのですから。

人は個として、分離した形で生きていると同時に

一つのいのちとして、みんなと全体と繋がっています。

自分のいのちは、みんなのいのちと同じものです。

違いがありながら、平等一如です。

あらゆるものが「一つのいのち」であると、そして

いのちの持つ絶大な働きに心の底から気づくことが出来れば

お釈迦様の教えの基本にある、五蘊、十二処、十八界、

十二因縁、四諦説、八正道も必要なくなります。

菩薩は、完成された智慧、いのちそのものにあるとき

心をさまたげるものは無く、怖れもなく、

すべての誤った見方を離れ、涅槃に入ります。

現在過去未来の三世の諸仏も

完成された智慧、いのちそのものにあるとき

完全なる悟りを得ます。

故に覚えておいてください、

完成された智慧、いのちそのものは、

大いなる、無上の、比べるもののない真実の内容を持ち、

見事に一切の苦しみを消し去ります。

完成された智慧の真言を申し上げましょう。

羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶

「やった!やった!ついに至った。萬歳!」

(というような意味ですが、真言は言葉・音に力がありますので

訳さずこのまま受け取ってください。)

般若心経 (智慧の心髄であるお経)



いのちはいつもいつもすべてのものを一杯一杯詰め込んで、

もちろん素敵なことを一杯詰め込んで、

いつもいつも今ここに、待機してくれています。

そしてわたしを通して溢れ出ています。

それがこの世界です。日常です。

いのちがみんないいようにしてくれます。

信頼して、安心して参りましょう。

いのちは形となって顕われ、そして姿を消し去ります。

森羅万象となって顕われ、消え去ります。

そうゆうものです。

消え去るものが私ではなく、生まれたものが私でもなく、

いのちが私です。