四苦八苦

 
 
 

お釈迦様は今から約2500年前のかたです。お釈迦様の教えは、

2500年もの長い間インド、中国、朝鮮半島、日本、チベット、東南

アジアの広い地域の沢山の人々に信仰され、こころの拠りどころと

なってきました。

 お釈迦様がその内容に気が付かれたきっかけは、生老病死という

四苦を本当に苦しいとお感じになったことにあります。この苦しみを何

とか克服したいと厳しいご修行をされ、そしてお悟りになられた内容が

仏教です。

 四苦八苦と日常でつかわれる言葉は仏教語から来たものです。生まれ

いきること、老いを迎えること、病いになること、死を迎えることの四苦

に愛別離苦(愛する人とも別れなければならない苦しみ)、怨憎会苦

(怨み、憎しみを持つ人とも共に過ごさなくてはならない苦しみ)、

不求得苦(求めても得られない苦しみ)、五蘊盛苦(人の身、心の上に

盛られた様々な苦しみ)をあわせ四苦八苦となります。

 私たちもお釈迦様と同じように苦しいこと、煩わしいこと、思い通りに

ならないことをたくさん抱えながら生きています。私達はそうしたことを

どうしても避けようと、あって欲しくないこととしてしまいます。ですが苦しみ

をきっかけとしてお釈迦様が仏教という大きな教えに気がつかれましたように

私たちもそうした苦しいこと、悲しいこと、煩わしいことを確りと正面から受け止め、

自分自身にとって大切なこと、深い意味、新しい世界に気づかせてくれる

一つのきっかけにしていくことも大切なことではないかと思います。